見返しとは、襟ぐりや袖口等の縫い代を隠すために縫い付けられる別切替の布のことです。
襟ぐりや袖口の強度の確保や形状の安定、別生地を使用してデザイン上のアクセントなどの役割を果たします。
ここでは比較的縫いやすい袖口の見返し始末で解説します。
最も良く使用される襟ぐりの見返しはまた少し工程が違いますので、そちらはまた別の項目でご紹介します。

袖見返しの縫い方
材料・道具
つくりかた
-
見返し奥にアイロンをかける
縫い合わせる前に、見返し奥の縫い代をアイロンで折りましょう。アイロン定規を使うと手早く綺麗に出来ます。
パーツを縫い合わせてからのアイロン作業は、大きな生地を振り回す事になるので少し手間がかかります。先にアイロンをかけても大丈夫なところはパーツの小さなうちに作業してしまうと効率よく進められます。
-
見返しと袖口を縫い合わせる
見返しと袖口を中表にして縫い合わせます。見返しというのは、多くの場合が筒状になっている箇所に取り付けられます。そのため、見返しも筒状にしてから縫い合わせるのが一般的ですが、今回のようなシンプルな形状の袖口の場合は袖のパーツを筒状に縫い合わせる前に見返しを付けてしまった方が作業が楽になります。
-
縫い代を片返しにする
ミシンをかけたら、見返しを開いて縫い代を見返し側に片返しします。動画ではここでアイロンを使わずに爪を使って折り癖を付けていますが、これを爪アイロンとか手アイロンなどと言います。折り癖の付きやすい綿や麻生地でしたらこれだけでも十分ですが、生地が少し厚手の場合はアイロンをかけましょう。
-
裏コバをかける
倒した縫い代を固定するために見返しにコバステッチをかけます。これは出来上がると表からは見えないので
裏コバステッチと呼びます。このステッチは入れなくても見返しの構造上問題はありませんが、入れておく事でこのあとのアイロン作業が楽になります。裏コバステッチを入れるときはキセがかからないように注意しましょう。
又、袖口にウラコバステッチではなく表まで通してステッチを入れる場合は、ここではステッチを入れずに、袖が完成してからミシンをかけましょう。 -
袖口にアイロンをかける
当て布の上からアイロンをかけます。
袖口にアイロンをかけて一旦、出来上がりの状態に整えます。この時、裏コバステッチがかかっていることで、見返しが自然と0.5mmくらい控えられて簡単に綺麗にアイロンがかけられます。 -
袖を筒状にする
袖下を中表にあわせて縫い合わせます。
この時、見返し奥の折り代はいったん開いた状態でミシンをかけて袖下の縫い代をアイロンで割った後で折り代を再度戻しておきます。 -
見返しを袖のパーツに固定する
最後に見返し奥をコバステッチで袖のパーツに固定します。動画のように見返し幅の広いものはたるみやすいのでしつけをかけた方が扱いやすくなります。
もちろん、両面接着テープでもかまいません。