シームポケットは縫い目を利用して作成するポケットです。
パンツやスカートの脇ポケットとして良く利用されています。
シームポケットの作成方法は幾通りも種類があるのですが、ここではポケットの袋布を別裁ちにして、
身頃の縫い代は割りアイロンで始末する前提で解説します。
ポケットの作り方は動画を見ながら解説を読むと理解しやすいと思います。一見難しそうに見えますが、
手順を良く見て順番通りに縫えればきちんと完成します。

ポケット(別裁ちのシームポケット)
材料・道具
つくりかた
ここで解説するシームポケットはポケット袋布の大きさが4枚全て同じですので、左右の向きと表裏の
違いが分かるようにシール等でマークしておきましょう。以下、袋布A・袋布Bと表記していきます。
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ロックミシンをかける
今回は縫い代を割るので、あらかじめ身頃の縫い代と袋布のポケット口縫い代にロックミシンをかけておきます。
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地縫いミシン
身頃を中表に合わせて出来上がりにミシンをかけますが、この時身頃のポケット口にだけ粗ミシンをかけます。
ポケット口まで縫っていったん返し縫いをしたらそのままミシンの針目を変えて粗ミシンをかけても良いですし、
ポケット口だけ残してミシンをかけてしまってから最後に粗ミシンをかけても構いません。
この粗ミシンは最後にほどく予定なので、針目は一番大きなもので縫いましょう。
ミシンをかけたら縫い代はアイロンで割っておきます。
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袋布Aを縫い付ける
袋布を縫い代に縫い付けていきます。
まずは前身頃の縫い代に袋布Aを1枚据えて(袋布の裏面が自分から見えるように)
マチ針で留めつけ、身頃側の縫い代を見ながらミシンをかけていきます。
ミシンをかける場所は身頃の縫い目位置のキワから4~5mm離れた箇所です。
縫いはじめと縫い終わりは1.5cmほど縫い残しておきましょう。
端まで縫ってしまうとロックミシンがかけられなくなってしまいます。 -
コバステッチをかける
袋布をめくって縫い目を手アイロンで折ります。折り目の付きにくい生地の場合はきちんとアイロンをかけてください。
そのまま前身頃の縫い代をつまみ上げ、身頃の縫い代と袋布だけに裏コバステッチをかけます。
表布まで縫ってしまわないよう気をつけましょう。この裏コバステッチも、袋布の両端は1.5~2cm程縫い残しておきましょう。
これで袋布Aは縫い付け完了です。
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袋布Bを縫い付ける
ここからは残りの袋布Bを縫い付けていきます。
袋布Bを最初の袋布に被せるように(袋布の裏面が自分から見えるように)据えます。
この時、先に縫い付けた袋布とぴったり重ならなくても大丈夫ですので、
後ろ身頃の縫い代についているノッチと袋布のノッチを合わせてマチ針を打ちましょう。
袋布Aの時と同様に、縫い代だけに袋布を縫い付けます。後ろ身頃の縫い代を見ながら縫い合わせましょう。
ミシンをかける位置は、出来るだけ身頃のミシンのキワに寄せられると綺麗な仕上がりになります。
初めての場合は少し難しいと思いますので、少し離れてしまってもあまり気にせず進めましょう。
これで袋布Bの固定が出来ました。はみ出した生地は切り揃えておきます。
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袋布外周にミシンを2本かける
ここで2枚重なっている袋布の裁ち端を切り揃え、袋布の外周にミシンを2本かけます。
いきなりミシンをかけるのが難しそうであればしつけをかけましょう。
1本目は裁ち端から1cmに、2本目は1本目のミシンから5mm縫い代側にかけます。
全体的にカーブしているので、両手を使って生地を回しながら縫い進めます。
難しい場合は少しずつ進んだら押さえがねをあげて方向を変えるというのを繰り返してゆっくりと丁寧に縫いましょう。
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袋布の外周にロックミシンをかける
きれいにミシンがかかったら、同じく袋布の外周をロックミシンで始末します。
ロックミシンは急カーブが少し苦手です。先ほどのミシン縫いと同様に両手を使って生地を回しながらゆっくりと少しずつ縫い進めましょう。
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ミシンをかけて固定する
ロックミシンの糸端を始末して、ポケット袋布の縫い代を後ろ身頃の縫い代にミシンで固定します。
ポケット口を補強する場合は身頃の表側から袋布まで貫通するように2~3回返し縫いをしておきましょう。
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仕上げ
すべての工程が終わったら、身頃の粗ミシンを外します。
あとは仕上げに軽くアイロンをかけたら完成です。