縫製の際にあると便利な道具類をご紹介します。

1・ピンクッション

洋裁で使用するピンクッションは、腕に付けられるタイプのものが便利です。洋裁では作業テーブルとミシンやアイロンの間を行ったり来たりと、意外と移動が多いものです。マチ針や縫い針は色々な場面で使用する頻度も高いので、腕につけるタイプをひとつ用意しておくと良いでしょう。

2・ミシン針

ミシン針はお手持ちのミシンのタイプに合ったものを用意してください。ミシンに慣れないうちは、針が折れたり曲がったりしやすいものです。また、折れずともたくさん使えば摩耗してきて縫い目が目飛びしたりと仕上がりにも影響してきますので予め用意しておきましょう。

3・マチ針

マチ針はいくつか種類がありますが、虫ピンのようなシルクピンではなく一般的な頭の付いているものを使用しましょう。シルクピンは立体裁断などでよく使用されるのですが、針自体が細くて比較的曲がりやすいのと、頭がとても小さく目立たないために「外し忘れ」が多くなって大変危険です。手慣れたエキスパートになればマチ針自体を殆ど使用しなくなりますが、慣れないうちは必需品です。慣れていない方が扱う場合には視認性が良いというのも大切な要素になります。頭の形はお好きなタイプで構いません。機能性を求めるのであれば、アイロンの熱にも強いガラスの頭が付いているタイプが良いでしょう。

4・糸切りハサミ

糸切りばさみは、手芸用や刺繍用の小さなハサミよりも、画像のようないわゆる「握りばさみ」と言われるタイプのものが作業効率が良く圧倒的に使いやすいです。大きな裁断ばさみでは小回りが利かないと不便な場合が多いので、小ばさみは一つ用意しておきましょう。

5・指ぬき

指ぬきは使ったことがないという方が圧倒的に多いかもしれませんが、出来れば最初に用意しておきたいアイテムの一つです。使い方は別の項目でも解説してある通り運針の時になくてはならないものですが、それ以外にもちょっと生地が厚くなるとしつけやまつり、ボタン付けといった作業の時に指の力だけで針を動かすとすぐに疲れてしまいます。例えうまく使えなくても指ぬきをする癖をつけて、針のおしりを押してやるようにすると良いでしょう。

指ぬきもタイプが様々ありますが、洋裁では画像のような中指にはめるタイプのものが一般的に使用されます。材質はステンレスでも皮でもお好みで選んでください。画像のようなタイプは指輪のようにサイズを確認してから購入する必要がありますが、サイズ調整が可能なタイプも販売されています。

6・蝋

蝋はろうそくの蝋と同じです。洋裁用のものはろうそくよりも少し柔らかくてボロボロと崩れてこないので使いやすいです。洋裁で蝋!?と思われる方も多いかもしれませんし、あまり一般的ではないかもしれません。ですがビギナーの方にこそ活用してほしいアイテムでもあります。

たとえば裾のまつりやボタン付け等、初めのうちは糸や生地の扱いに慣れていないので撚りが戻りやすく絡まりやすくなりますが、予め蠟引きをすることでこういった小さなイライラが解消される場合が多いです。無くても困らないものではありますが、一つ用意しておくと便利です。詳しい使い方は別の項目で解説します。

7・穴あけポンチ

ハトメやジャンバーホックの取り付け位置に穴をあける際に使用します。画像のものはスクリューポンチと言って、刃を交換できるタイプのものです。刃が回転して生地に穴をあけるので、通常のポンチよりも力を必要とせず、女性でも扱いやすいです。スクリュータイプではない場合はポンチを木槌で叩いて穴をあけます。

8・ノミ

ノミは生地に切込みを入れる時に使用します。画像のものは12mmサイズでシャツのボタンホールをあける時に便利です。リッパーよりも切り口は綺麗に仕上がりますが、必ずしも必要なものではありません。ボタンホールはリッパーで切れ目を入れた方が失敗も少ないです。余裕がある方は用意しておくと良いでしょう。

9・目打ち

目打ちは生地に穴をあけるのが本来の使い方ですが、その他にもミシンかけの際に縫いずれを防止するのに押さえたり、角を縫い返す際に使用したりと、かなり多用するアイテムです。まだお持ちでない方は、ぜひひとつ購入しておくと便利です。

10・リッパー

リッパーはボタンホールに切り込みを入れる時と、ミシンをほどく時に使用します。どのような形状のものでも大丈夫ですが、ボタンホールの穴を綺麗に切る為には切れ味が大切になってきます。ボタンホールのカットに失敗してしまうと修正が効きませんので、手芸用品店で売られているしっかりとしたものを購入しておくと良いでしょう。

11・紐通し(ゴム通し)

紐通しもタイプは様々販売されていますが、どれが使いやすいかというのはひとによって違いますし、安全ピンなどで代用できますのでなくても困りません。安全ピンが通らないような細い箇所に紐やゴムを通す場合の為にひとつ用意しておくと良いかもしれません。

12・ループ返し

ループ返しは糸を通した縫い針で代用できるので無くても構いませんが、有ったほうが作業効率が上がります。細いループだけでなく長いヒモを縫い返す際にも良く使用します。

13・方眼定規

事務用のものでもかまいませんが、手芸コーナーで販売されている方眼定規だとバイアスの線が入っていて使いやすいのでおすすめです。欲を言えば、この他にアイロン用の小さな竹製の定規があるとなお良いでしょう。プラスチック定規は間違ってアイロンに当ててしまうと溶けて変形してしまいますので注意しましょう。

14・しつけ糸

しつけ糸は多くの場合、ひとかせずつ束になって販売されています。それを画像のように使いやすく手を加えてから使用しましょう。しつけ糸の取り扱いについては別の項目で解説します。