「ミシンの針と糸、いっぱいあってわからない!」という方も多いはず。 そもそも、「え!?針って替えるものなの?」なんて方だっているはず。 そこで、ミシン針・ミシン糸の関係と適した生地についてまとめていきます。 今回はミシン針の種類についてです。
家庭用ミシン針
「HA×1 #11」 ←これが家庭用ミシン針の表記方法。 解説すると、「HA×1」というのが家庭用ミシンの布帛生地のための針ですよという記号で、「#11」というのが実際の針の太さです。
ということは、ニット用の針も存在します。 ニット針は「HA×1SP #11」という風に表記します。 ニット針はボールポイント針とも言って、先端が丸みを帯びていてニット生地を縫うことに特化して作られた針です。 この構造により、ニット生地の地糸切れが起こりにくくなりますので生地にあった針を使いましょう。
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※地糸切れとは
縫製時のミシン針や送り歯によって、生地の構成糸(地糸)が切断されることを言う。
織物生地では大きな問題になることは少ないが、編地(ニット生地)の場合は地糸が切れたところから穴が広がり伝線が発生する。
参考文献:
繊維流通研究会
アパレル製品の縫製困ったときに読む本
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針の太さは一般的には4種類あって、下記のように分かれます (生地別の詳細に関しては別記の一覧をご覧ください)
- #9 薄手用
- #11 普通地用
- #14 厚地用
- #16 極厚地用
番手が小さいほど針が細くなります。
工業用ミシン針
「DB×1 #11」という風に表記します。
ニット針だったら「DB×1KN #11」という風に表記されます。
針の太さを表す#の後の数字は家庭用と同じです。 職業用ミシンの一部機種では工業用の針を使用しています。
近年は職業用ミシンでは家庭用針を使う機種と工業用針を使う機種とが混在しているようですのでお手持ちの取扱説明書を必ず参照してください。
ロックミシンの針について
家庭用ロックミシンについては、メーカーや機種によって使用する針が異なります。
例えばベビーロックの衣縫人や糸取物語だったらHA×1SP/CRが標準装備なのですが、
/CRというのはクロームメッキ加工の針の事で、耐久性が高い代わりに少し価格も高めです。
通常のHA×1SPでも大丈夫。 これは家庭用ミシン針ですのでHA×1は布帛用、SPの表記のあるものがニット用となります。
つまり家庭用ミシンと衣縫人もしくは糸取物語をお持ちの方でしたら、針は共通のものを使用可能ということになります。
ブラザーのロックミシンだったら機種によりHA×1、DB×1、TE×1(純正)、HL×5(純正)のいずれかを使用します。
ジューキの場合はHA×1を使用する機種が多いようです。 どのメーカーも機種により使用する針はまちまちなので、よくわからない場合はミシン屋さんに手持ちのロックミシンの機種を伝えると正しい針を教えてもらえます。
ロックミシンの場合は直線縫いミシンに比べると針が折れる回数や摩耗する頻度は低いですが、摩耗する前に交換する癖を付けましょう。 針の番手はミシン針の項目に準じます。
まとめ
一口にミシン針と言っても色々な種類がありますね。 ご自宅で使う場合にはお手持ちのミシンの機種にあった種類の針の中から#9、#11、#14くらいの番手を揃えておくと便利です。
最後に。
針は消耗品です。 摩耗して来ると目飛びしたり縫製トラブルの元になりますので、そういうときはこまめに針を交換しましょう。