「要尺(もしくは用尺)」という言葉を聞いたことがありますか?洋裁用語で「ようしゃく(またはようじゃく)」と読みます。 これは洋服を作るうえで必要となる必要最小限の生地の幅と長さの事です。 洋裁本や型紙を購入すると、必要材料のところに記載してありますね。 このように予め用尺が分かっている場合は記載された通りに購入すれば良いのですが、ふらりと立ち寄った生地屋さんで気に入った布を見つけた場合など、ざっくりとした用尺を自分で見積もれると便利なので以下の通りまとめてみました。
用尺を見積もるための計算方法
丈を知ろう
まずは作りたいお洋服の丈(長さ)を出しましょう。ご自分のお洋服を測ってみるのも良いですね。
生地幅を知ろう
生地は生産の時点で幅が決まっています。生地屋さんで『何メートル』と指定できるのはあくまで長さです。ご自分が購入したい生地の幅を調べ、それに応じて購入する長さを決めます。
用尺算出の計算式
ワンピース・チュニック
生地幅 | 用尺 |
90〜110cm幅 | (ワンピース丈+10)×2+袖丈+5 |
140〜150cm幅 | ワンピース丈+10+袖丈+5+衿分 |
ギャザースカート・タイトスカート
生地幅 | 用尺 |
90〜110cm幅 | (スカート丈+10)×2 |
140〜150cm幅 | スカート丈+10 |
※ギャザースカートは裾まわり寸法が極端に広い場合はこの限りではありません
フレアスカート
生地幅 | 用尺 |
90〜110cm幅 | (スカート丈+10)×3〜4 |
140〜150cm幅 | (スカート丈+10)×1.5〜2 |
パンツ
生地幅 | 用尺 |
90〜110cm幅 | (パンツ丈+10)×2 |
140〜150cm幅 | パンツ丈+10 |
ジャケット
生地幅 | 用尺 |
90〜110cm幅 | (ジャケット丈+10+袖丈+8)×2 |
140〜150cm幅 | ジャケット丈+10+袖丈+10+袖丈+8+衿分 |
引用:文化出版局<裁ち方・縫い方質問集>より
そのほかに気をつけたいこと
柄合わせが必要な場合や綿・麻などの水通しで縮む素材は1~3割程度多めに見積もりましょう。
また、毛並みの無い生地でしたらデザインによっては型紙を差込んで効率よく裁断するともっと少ない用尺で済む場合もあります。
これとは別にあらかじめ着分カット済みで販売されている場合もあります。
着分というのは洋服1着を作るのに必要なメーター数という事なので、着分カットで販売されている生地を購入すれば洋服が1枚出来るようになっています。
だいたい110cm幅の生地だったら2M~2.5Mくらい、140cm幅の生地だったら1.5M~2M程ですので、丈が長いものやゆとり分がたくさん入るデザイン、サイズの大きい方の場合は足りなくなることもあります。
用尺を計算する場合も、同じ理由で見積もり計算通りに行かない場合もありますので、作ろうとするデザインが特殊なものの場合は良く検討してから購入しましょう。
既に型紙を持っている場合は自宅で型紙を床に置いてシミュレーションしてみると間違いありません。
まとめ
この計算方法を知っていれば、型紙をまだ購入していなくてもアイテムによって大まかな用尺が計算できますね。
ワゴンセールの生地だったらあまり気にしなくても良いのですが、高価な生地を購入する時は出来るだけ使いきれるギリギリで購入したいものです。賢く購入して無駄なく使い切りましょう!