タイトル気になります?このサイトに訪れて下さる方なら気になりますよねぇ。
今日は縫うことの上手い下手について少しだけ掘り下げてみようと思います。
ちょっと長いですがどうぞお付き合いくださいね。

皆さんは縫製のマッチングサイト「nutte(ヌッテ)」をご存知でしょうか?縫ってほしい人が縫いたい人に洋服づくりを依頼することができるサイトです。
きっとご存知の方も多いですよね。
そのnutteのオフィシャルブログにちょっと興味深い記事が更新されていました。

職人が教えたくない「見るべきところ」。縫製の上手い下…

 

これは縫製を依頼したいという方向けに書かれた記事ですが、作り手としても気になるトコロ。
例えお仕事で洋服を作るつもりが無いという方でも、ちょっと気になりますよね。

nutteに登録している職人さんであれば、縫製テストを受ければ自分がどれくらい縫える人なのかを推し量ることが出来ます。
nutteのブログに実際のテストで提出された制作物の写真がありますが、これを見て皆さんはどのように感じましたか?難しそう?もしくは思ってたほど難しそうでもない?ジャケットとかじゃないの??とか、様々な感想があると思います。

私もこのテストを受けてみました。てっきりジャケットなどの重量物だと思っていたのでかなり拍子抜けしたのですが、よくよく考えてみたら難易度の高いテストだったんです。
それは、「このテストでは何を求められているのか」ということを考えてみるとわかります。
テスト自体はシーチング生地でポケット数種類、ファスナーも一般的だし各パーツも珍しいものは何一つないので、普段からお仕事で洋服を作っている方でも、趣味で洋裁を楽しまれている方でも無理なく縫える範疇かと思います。
このテストで要求されることと言えば。

 

「正確に裁断して正確に縫い上げる」

 

ただこの1点のみなんじゃないかと思います。
え?拍子抜けしました?(笑)
でも私は個人的にこれが最も難しい所だと思っています。
最後になんとなくつじつまがあっていれば良しというのではなく、一つ一つのパーツを寸分の狂いもなく裁断して縫い上げるというのは至難の業なんですね。
そういう意味では、ビギナーの方が難しそうだと言って敬遠しがちなウールのジャケットやコート類の方が簡単かもしれません。ウールは生地が柔軟に動いてくれるのでごまかしもきくんですよ。
シーチングなどの綿の平織り生地はごまかしがきかないうえに無地なので、縫い代が1㎜ずれたらすぐにわかっちゃう。これは怖いですよ(笑)

同じものを同じように作っているのに、シャキっとした仕上がりとなんとなくもったりした仕上がりの違いというのはそこです。それがつまり上手とか下手とかいう括りで表現されている訳です。
同じパターン・同じ仕様で作成しているのに、仕上がりがバラバラ。不思議ですよね?強いて違う点をあげるとするならば「精度」ではないのかなと。

 

長年洋裁に携わって来ましたが、この人にはとてもかなわない!という人と時々出会います。それは大抵が洋裁を初めてまだ1年にも満たないくらいのビギナーさんだったりするのです。
ビギナーさんですから、多くの作品を縫い上げたわけでもなく、沢山のテクニックを身に付けている訳でも無いのですが、作品の一つ一つが驚くほど正確に仕上がっているのです。
そういった方と出会うたびに、モノ作りというのは経験年数じゃないのだなぁと痛感させられるのです。

 

なんてね、ちょっと感慨にふけってしまいましたが。
違う、言いたいことはそうじゃない。
つまりね、「正確に裁断する」「縫い代の通り、出来上がりの位置で正確に縫う」これだけなら、なんとなく頑張ったら出来そうな気がしません?
最初から難しいものに挑戦する必要なんてないんです。直線裁ちのスカートだって良いのです。
縫い代を一定に。縫いずれないようにするにはどうしたら良いか。縫い進めると上側の生地だけ余っちゃうのはなんでだろう?とか。考えながら一つ一つの作業をゆっくりと進めてみるのがコツです。

例えば冒頭の画像をよく見てください。これは私が自分の持ち出し付きベストを作成した時のものですが、本来ならばぴったり合っているはずの縫い目同士がずれています。
これは急ぐあまりよく確認せずに縫い合わせてしまったせいなのですが、あなただったらこれを縫い直ししますか?それとも妥協しますか?
わずか0.5mmほどのズレですが、そこに気付いたときにどうするか。というのもポイントです。

縫うことで報酬を頂くお仕事の方であれば、こういうところは修正するべきでしょう。
ですが趣味でご自身のものしか作らないという方でしたらこれくらいは全く気にするような範疇ではありません。
ここは一括りにしてはいけない部分だと思っていますし、「ここはこうでなければならない」「〇〇は間違っていてコレが正解」「このように縫わないとダメ」だなんてナンセンスにも程があります。

好きなように縫いましょう。最初から上手に出来る人なんていませんし、ちょっとくらい縫い代つれちゃってもご自身が「気に入った!」と思えればそれが正解なのです。
「でももうちょっと上手になりたいなぁ」と思えた時に、少しだけ立ち止まって見ると良いですよ。
楽しくなければ何の意味もないのですから。

洋裁というのは他のハンドメイドに比べて道具も大掛かりですし時間もかかりますね。めんどくさいです。そんな面倒なことよくやるよねぇと言われることもあります。
でもね、よくよく考えてみてください。1日で攻略出来るゲームと、難攻不落のゲーム、どちらが楽しいと思いますか?

難しいからこそ、奥が深いからこそ深みにはまるのですよ。

 

 

 

…目くるめく洋裁ワールドへようこそ ( ̄ー ̄)ニヤ

 

 

 

 

navyplusの秘密基地より