地直し。めんどくさいですよねぇ。。。 皆さんは毎回地直しやってますか? なんじゃそりゃ??という方も、地直し迷宮に迷い込んだ方も必要なところだけ拾って読んでみて下さいね。

そもそも地直しって何?

生地って歪んでるんです。 洋裁をする上で大切な地の目(布目)に沿って裁断するという作業は、たて糸と横糸が直角に交差していて初めて成立するものなのですが、肝心の生地が歪んでいたら地の目を通す意味がない訳です。 そして生地も歪みのない状態が本来の姿です。 機織り機械を思い浮かべるとわかりますよね。 たて糸に対して直角に横糸を通して織られていきます。 ですが織られた後に様々な加工を施したり流通する過程でどうしても歪みが発生してしまいます。 なので、市販されている生地は大なり小なり歪んでいるんです。

それに加えて天然繊維は素材や織り、加工の違い、洗い方などによって縮むことがあります。 特に綿や麻は繊維の断面図を見てみると中が空洞になっていて、水につかると空洞にも水が入り込み繊維が膨張します。 そして乾くときに収縮するのですが、この時に最初の状態よりも更に収縮してしまうために縮みが発生します。これは特に最初にお洗濯したときに顕著に現れます。 リネンなどは更に、独特のシャリ感を出すために強く撚りをかけていたりするので、これもまた洗濯時の縮み原因になっているようです。 特にシルケット加工されていない綿や麻素材はその傾向が顕著です。 シルケット加工の代表的なものがブロードやボイル、シーチングは未加工のものです。

※シルケット加工 綿に絹のような光沢、染色性、防縮性、強度などを与える加工。マーセライズ加工ともいう。

文化出版局 「ファッション辞典」より

このように歪んだ生地をそのまま裁断して洋服を作ったとしましょう。 出来上がり時点では特に問題はありません。 地の目が曲がっていてもちゃんと洋服になります。 ですが問題はその後。 地直しをしていない生地で作った洋服を何度かお洗濯するとどうなると思いますか? だんだんと脇線がねじれてきたりフレアーが歪んできたりと型崩れしてしまう上に縮んでしまいます。

生地によっては10%程度縮むものもありますから、着丈100㎝のワンピースは90㎝になってしまうということ。 これでは1度洗っただけで着られなくなってしまいます。 せっかく作ったのに悲しすぎます。 この「歪み」や「縮み」が出ないように処理をすることを「地直し」と言います。 「歪み」を正す作業は主にアイロンがけで行い、「縮み」が出る生地をあらかじめ縮ませる作業を「水通し」と言います。 この二つの作業をあわせて「地直し」と言います。

地直しは必要か?

市販の生地はたいてい歪んでいるので、その歪みは正しておいたほうが良いでしょう。 水通しはケースバイケースです。 必ずやらなくてはならないものではありません。 ウールの場合は水につけるのではなく霧吹きで湿らせる程度ですし、化繊類は水につけても寸法変化が起こりにくいので水通し作業はしなくても大丈夫です シルク、レーヨンなどは水につけたりすると大きく風合いを損ねてしまうので、これらの水通し作業はNGです。特にシルクやレーヨンはスチームアイロンも厳禁。 なので当然お洗濯不可=ドライクリーニングへGO!ということになります。

シルケット加工や防縮加工が施されているものであればアイロンで地の目を正す程度にして、念のため後で丈出しが出来るように裾や袖口の縫い代を少し多めに取っておけば良いでしょう。 縮むかどうか良くわからない物の場合は水通ししておくことをおすすめします。

【まとめ】

ホームソーイングの場合は綿や麻などの天然繊維を好んで使われる場合が多いので、生地を購入したらまずは水通し!と覚えていても良いでしょう。 面倒ではありますが、長く愛用できる1着にするための大切な作業です。