初めて洋服を作ろうと思った時、お店にはたくさんの生地がずらりと並んでいて夢は膨らむ一方ですね。
ですが最初の1着目には選ばない方が良い素材もあるんです。

生地の扱いやすさで難易度が変わる

皆さんもご存じの通りリバティやダブルガーゼはソーイングファンのあいだではとても人気の高い生地ですし、素敵なプリントがとにかく豊富に揃っていますね。売り場も一番目立つ位置です。

お店によってはこれらの生地は初心者向けとしておすすめしているところもありますが、リバティやダブルガーゼは実は少し洋裁に慣れてからチャレンジした方が無難です。

その他にも、ついつい手に取ってしまうけれど注意が必要な生地とその理由をご紹介します。

取り扱いの難しい生地

リバティ

ここでは英国リバティ社で開発されたプリント生地の事を指します。その他のいわゆるリバティ風プリントは素材感がマチマチなので省きます。
リバティは綿の平織り生地です。一般的に洋裁初心者の方には綿の平織り生地が扱いやすいので、このリバティもおすすめされる場合が多いのですが、触ってみるとかなり薄い「タナローン」という生地を使用している場合が多いです。
タナローンは「上質なシルクの艶感や手触り」を追及してリバティ社が開発した生地ですので、質感としては綿よりもシルクに近い感覚を受けます。
薄くて艶があってさらりとした手触りは肌あたりがとても良いのですが、それはつまりシルクを縫うのと、さほど変わらないという言い方も出来るわけですね。

洋裁という観点から見ると糸調子が取りにくい生地でもありますし、ミシンの針や糸にも気を使います。
出来ることなら何点か手がけてから挑戦した方が納得のいく仕上がりになると思いますよ。
同じ理由で、ローンやボイル等の薄手生地にも少し注意が必要です。

ダブルガーゼ

洗いをかけるごとにふわふわで柔らかく着心地良くなっていくダブルガーゼは、赤ちゃんから大人まで大人気の素材のひとつです。こちらも決して縫いやすい素材ではありません。
繊維が細くて柔らかいので、ミシンで縫っていくうちに生地が針穴の中に落ちて噛んでしまったり縫い伸びしてしまったりしやすいです。
生地自体もそれほど強くないので縫い目に力がかかると裂けてしまったりすることも。

それでもあの独特の肌触りと吸水性は弱点をも凌駕する魅力を持っているので、ダブルガーゼも生地の扱いに少し慣れてから挑戦すると良いでしょう。

ワッフル

ふわふわモコモコのワッフル生地も人気の素材ですが、洋裁する上で注意が必要なのは、洗う前後で寸法の変化が大きいという点。
生地として販売されている状態だと糊が効いていてそれほどではありませんが、蜂巣織りともいわれる特殊な折り組織は洗いをかけることで繊維の間に空気が含まれて独特の厚みが出てふわふわ感が生まれます。

厚みが出るという事はその分面積が狭くなるという事です。
水通しせずに縫いあがった後で洗濯をすると1サイズ(時にはそれ以上)ほど小さくなります。
水通ししてから縫うとデコボコした生地はとても縫いにくく感じます。
まずは洋服ではなく、多少の寸法変化があっても気にならないようなタオルなどの小物類に使うのが無難でしょう。

コーデュロイ・ベルベット

コーデュロイもベルベットも共に毛足の長い艶感のある絨毯のような生地です。
毛足の長い生地は少々扱いが面倒。
特にベルベットは縫製経験の長い職人でも身構えてしまう難素材と言って良いでしょう。
難しいポイントは2点。ミシンかけとアイロンかけです。
毛足が長いためにミシンかけの時には縫いずれが起こりやすく、アイロンかけの時にはテカリやすくなります。
難素材であるが故にミシンの専用アタッチメントを使用したり特殊なアイロンマットを使用したりするなど、細心の注意が必要な素材でもあります。

縫えない訳ではありませんが、中・上級者向けの素材と言っても良いのではないでしょうか。
コーデュロイはベルベットに比べるとだいぶ難易度が下がります。
それでも縫いずれやアイロンのテカリなど注意点は同じですので、少し慣れてから挑戦してみましょう。

裏地、化繊類

裏地も化繊類も一言でいうとツルツルしてテロテロした感じ。それが着心地の良さの要なのですが、このツルツル感=裁断しにくいという悲しい現実。
確かにツルツルと良く動いて裁断しにくいので初心者の方にはあまりおすすめしないのですが、何着か縫って着てみると気付くはずです。
「裏地があったほうが着心地が良くてシルエットも綺麗で表生地も傷まない」ということに。

化繊類も手入れが楽な優秀素材ですし、生地の扱いに慣れてきたらぜひ積極的に挑戦してみることをおすすめします。

まとめ

いかがでしょうか?
最初からネガティブな情報ばかりになってしまいましたが、出来ることなら初めて洋裁にチャレンジするのでしたらあまり神経質にならなくても良い生地を選ぶと楽しく作品作りが出来るのではないかと思います。
ひとつ覚えておいて欲しいのは、ここにあげた素材が難しい理由はどれもミシンやアイロンの扱いによるものですので、要は慣れてしまえば良いのです。
難しい素材と言うのは個性の強い素材とも言えます。そこが魅力的でもあり愛され続ける理由なのかもしれません。
次回はおススメの生地をご紹介します。